1994 年 19 巻 3 号 p. 181-186
アズキゾウムシの産卵刺激物質としてアズキ種子煮汁よりD-カテキン (2S,3S)-3,5,7,3′,4′-ペンタヒドロキシフラバン をすでに同定しているが, 今回, アズキ種子の冷水抽出物よりタキシフォリン (3,5,7,3′,4′-ペンタヒドロキシフラバノン) を活性物質として単離し, 夾雑して得られた不活性なケルセチン (3,5,7,3′,4′-ペンタヒドロキシフラボン) とともに, 機器分析および誘導体化-機器分析により同定した. 3化合物は化学構造が類似するが, D-カテキン (ガラスビーズ1個当り0.2~2ngで活性)>タキシフォリン (同2ngで活性)>ケルセチン (不活性) とB環部分の違いが活性発現に影響することがわかった.