実験動物
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異常環境下における体温変化に関する研究
第1報夏季においてラットを直射日光下に暴露したさい, ならびに直射日光を遮蔽したさいの体温変化
藤原 弘杉崎 速雄渡辺 九郎
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1965 年 14 巻 1 号 p. 23-27

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抄録

健康成熟ウィスター系ラット♂72匹をもちい外気温の高い夏季の直射日光下に暴露したときの致死体温の決定と, 直射日光を遮蔽した屋外における一昼夜の体温変化を測定した。
1.直射日光下 (外気温30~35℃) に暴露したラットの致死体温は44℃であった。
2.直射日光下一外気温29~33℃一の場合には全例死亡するにはいたらなかった。
3.直射日光下 (外気温29.5~35.0℃) では43.6~44.0℃で死亡するものが一番多く33%で, ついで43.1~43.5℃, 42.6~43.O℃の閾値は25%の同率で, つぎに42.1~42.5℃の12.5%, 41.5~41.6℃の4.2%の分布であった。
4.ラットを直射日光から遮蔽した屋外24時間放置時の体温変動は, 外気温の変動に平行するが, 平均体温38.8℃以上になることはなく, 死亡例はなかった。

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© 社団法人日本実験動物学会
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