日本教育工学雑誌
Online ISSN : 2432-6038
Print ISSN : 0385-5236
リソース (resources) をキー概念とした SBCD のための学校研究診断 : 1980 年代学校における授業システムデータからの示唆
有本 昌弘
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2001 年 25 巻 suppl 号 p. 107-112

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抄録

わが国に伝統的に見られる授業研究の歴史的背景を踏まえ, 1980年代の学校研究の診断的評価から示唆を得る.当時見られた学校研究主題の変化に伴い, 各学校は, 実践研究の方向によって, 授業の組み立て方, 展開や評価のあり方, 研究の組織や体制など, アメーバーが触手を伸ばすように「1つの」違いを生み出していた.思潮のもとに変化し累積的に「融合」してきている授業システムにおける研究の方向を「指標」としつつ, 各校は学校全体の構成要素がどのようにつながり支え合っているかを検討する必要があることをデータは示唆していた.日本の社会文化のもとで, 今後の教育実践研究がカリキュラム・教育方法を中心とした学校改善として結実するためには, 短期で達成されるターゲット(到達目標)と長期の向上的な目標というデュアル(相補的)な方略を考える必要がある.

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© 2001 日本教育工学会
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