日本教育工学雑誌
Online ISSN : 2432-6038
Print ISSN : 0385-5236
決定理論の枠組みからみた教育評価
繁桝 算男
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1988 年 12 巻 3 号 p. 77-89

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抄録

教育評価を決定のための資料の収集としてとらえ,教育工学の分野で当面するいくつかの教育評価的決定問題に対する解決方法を示唆する.解決方法を示唆する規範理論として,主観的期待効用最大化のルールを説明する.このルールは,矛盾することなく整合的に決定を行うためのガイドラインと解釈できる.このガイドラインの下で次の3つの問題について考察した.(1)決定理論の枠組みに照らし合せて,進路指導において何が可能であるか,また,決定者にどのようなアドバイスができるかを整理した.(2)次に,いくつかの教授法のうちどれが最適であるかを決める決定理論的方法を提案した.これは分散分析等の統計的方法よりも一般的な方法である.(3)最後に,教育評価として測定されるデータが,決定の最適化のためにどのように役に立つかの観点からその良さの程度を評価することができることを示した.

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© 1988 日本教育工学会
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