日本教育工学会論文誌
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実践的研究の方法に関する小中学校教師の認識
永井 正洋庄司 三喜夫望月 俊男加藤 浩
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2007 年 31 巻 2 号 p. 175-185

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抄録

筆者らは,小・中学校の現場教師に対して質問紙による実践的研究の方法などに関する調査を行った.結果として,教師は学校外の考えよりも,学校に身近な考えを信頼することが分かった.実践的研究の方法に関しては,経験則に基づくかどうかという区別が存在し,その中で経験的な研究方法を支持する傾向があった.更に,共分散構造分析からは,実践知による信念が大きく実践的研究の方法に関する認識に影響していることが示された.したがって,学校外の人間が,一方向的なアプローチで,非経験的な方法を導入するかのような認識を学校現場の教師に与えた場合,その導入には困難が伴うことを示唆した.また,若手教師の方が,身近な考えをより信頼する傾向があることを示し,その特性に応じたインサービス・トレーニングが必要となることを論じた.

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© 2007 日本教育工学会
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