本研究では,中学生を対象とした社会科(歴史的分野)の授業において,自律的な学習に必要な学習方略の使用向上を目指した授業実践を行い,その効果を検討した.研究1では,中学生を対象とした質問紙調査を行い,自律的な学習に必要な学習方略を測定する尺度を開発した.学習方略尺度は,認知的・対話的方略とメタ認知的方略の2つから構成され,因子分析を行った結果,体制化方略と対話方略,モニタリング方略と計画方略が見出された.尺度の信頼性や妥当性について検討を行った結果,信頼性,妥当性が確認された.研究2では,学習方略の使用を促進するための社会科学習プログラムを開発し,研究1で作成した尺度を用いてその効果の検討を行った.その結果,体制化,対話,モニタリング方略について,効果があることが示された.