日本看護研究学会雑誌
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産褥早期の乳汁分泌に及ぼす足湯の介入効果
小島 德子
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2019 年 42 巻 4 号 p. 4_775-4_786

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抄録

目的:産褥早期に直接授乳をしている褥婦への足湯を継続して行い,乳汁分泌に及ぼす足湯の介入効果を検討することである。
方法:母乳育児を希望する経腟分娩後の褥婦を対象に,血圧,脈拍数,乳房皮膚温,直接授乳量,搾母乳量,乳汁分泌量,硬結の有無,乳房の熱感・乳房緊満感の有無について,ランダム化比較試験を行った。
結果:乳房皮膚温は足湯群が産褥2日目から,コントロール群が産褥4日目から経日的に上昇した。搾母乳量(補正値)は,産褥2日目・5日目において足湯群に有意差が認められ,乳汁分泌量は産褥5日間すべて足湯群が多かった。硬結の消失時期および乳房の熱感や乳房緊満感の出現時期は,足湯群がコントロール群よりも早かった。
結論:足湯は血流を促進させて皮膚温を上昇させ,かつ代謝の亢進を促し,乳房皮膚温の上昇,乳汁産生量の増加,乳汁貯留の軽減,乳汁の分泌開始時期を早める効果をもつことが明らかになった。

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© 2019 一般社団法人 日本看護研究学会
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