日本看護研究学会雑誌
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日本における感染防護具としての手袋に関する研究の現状と課題
─ 1994~2008年 ─
渡部 節子長田 泉今津 陽子五木田 和枝
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2012 年 35 巻 1 号 p. 1_153-1_157

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抄録

  臨床現場に感染に対する個人防護具として手袋着用を推進するにあたり,その課題を明確にすることを目的に,1994~2008年までの15年間の文献を調査した。
  その結果,15年間に870件の文献が検索された。文献数の経緯としては,1994~1999年まで15~21件/年で横這い状態であったが,2000年を境に急激に増加していた。研究内容は,全体としては手袋使用による「アレルギー」が181件(20.8%)で最も多く,「扱い方」168件(19.3%)であった。推移としては「使用状況」の増加が著明で2008年には44件と最も多く,ついで「教育」に関して23件であった。今後はこれらの現状を受け,着用を促進させるような介入研究が必要となる。また,手袋未着用で引き起こされた感染(針刺し事故,MRSA感染,等)およびその感染に関連したコストの研究等,感染防護具としての手袋着用を経済的に判断する研究も重要である。

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© 2012 一般社団法人 日本看護研究学会
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