日本看護研究学会雑誌
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死を意識している患者との対話場面における看護者の態度構造に関する研究
對馬 明美三上 佳澄西沢 義子
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2010 年 33 巻 5 号 p. 5_33-5_44

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抄録

  本研究は,死を意識している患者との対話場面における看護者の態度構造を明らかにすることを目的とした。臨床経験のある看護者34名を対象者とし,内的作業モデル尺度と職場用ストレス用コーピング尺度を用いた自記式質問紙調査とPAC分析を実施した。コーピングのうち「他者からの援助を求める」は回避型の得点が安定型とアンビバレント型より有意に低かった。「諦め」はアンビバレント型の得点が安定型より有意に高かった。想起項目内容の分析より《緩和ケアに対する態度構造》《緩和ケアに伴う態度構造》の2つのカテゴリーが抽出され,内的作業モデルのタイプでは差異はなかった。しかし,重要度順位の内容では内的作業モデルのタイプで差異があったことから,死を意識している患者のケアには看護者が捉えた優先度の高いケアが必要であると考えていることが推測され,これには内的作業モデルが関与していることが示唆された。

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© 2010 一般社団法人 日本看護研究学会
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