2010 年 33 巻 5 号 p. 5_121-5_130
本研究の目的は,若年女性が喫煙に至り習慣化するまでのプロセスとその影響要因,非喫煙が継続するプロセスとその影響要因を明らかにすることである。本研究への同意を得た,20歳代前半の喫煙女性3名と非喫煙女性2名を対象者として,半構成的面接を実施し,Grounded Theory Approachの手順に従いデータ分析を行った。結果,若年女性の喫煙が習慣化するプロセスおよび非喫煙が継続するプロセスは,【喫煙・非喫煙への準備】,【喫煙への葛藤】,【喫煙の定着】,【非喫煙の定着】という4つのカテゴリーから構成されていた。若年女性は妊娠・出産への関心は高いものの,これらへのタバコの害に関する知識は不十分であり,情報提供の必要性が示唆された。また,若年女性の喫煙は家族や友人の影響を大きく受けており,若年女性を取り巻く人間関係に着目した喫煙予防支援の有効性が示唆された。