日本看護研究学会雑誌
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RA患者における主介護者の介護負担感と疲労徴候
梶原 江美忽那 龍雄
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2005 年 28 巻 5 号 p. 5_63-5_70

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抄録

 要介護レベルであるSteinbrockerのclassⅢ,Ⅳと診断された関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:以下RAと略す)患者を介護する主介護者を対象にして疲労感を含めた介護状況や介護負担感を明らかにする目的で調査を行った。
 リウマチ専門外来に通院中のRA患者71名(男性7名,女性64名,平均年齢64.3歳,平均罹病期間19.5年)とその主介護者71名(男性48名,女性23名,平均年齢61.9歳)を対象として,Zarit介護負担尺度日本語版並びに越河らの蓄積的疲労徴候調査票を用いて,面接による聞き取り調査と自記式アンケート調査を行った。その結果,71名の介護負担感平均得点は88点中16.6点と低く,蓄積的疲労徴候平均得点は100点中一般的疲労感36.5点,慢性疲労35.2点,気力減退27.6点,不安徴候23.7点,イライラ感23.6点,抑うつ状態20.2点,身体不調20.1点であった。また,介護負担感と疲労徴候は密接に関連しており,精神的な疲労が介護負担感を増強し,主介護者の健康を阻害することにつながることが示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本看護研究学会
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