日本看護研究学会雑誌
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喉頭摘出者のコミュニケーション方法間の関係
小竹 久実子佐藤 みつ子
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2005 年 28 巻 1 号 p. 1_109-1_113

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抄録

 本研究の目的は,喉頭摘出者のコミュニケーション方法の実態と,コミュニケーション方法間との関係性を分析し,看護援助の基礎資料とすることである。対象は,喉摘会の会員565名のうち回収された450名である。方法は,質問紙調査法にて,食道発声,電気喉頭,筆談,ジェスチャーを5段階評定,出声日,発声可・不可数を調査した。Χ2検定及びSpearmanの相関係数にて分析した。結果,食道発声との関係において,電気喉頭,筆談,ジェスチャー間に有意差がみられた。食道発声との相関において,電気喉頭,ジェスチャー,筆談との間に負の相関がみられた。食道発声使用者は,電気喉頭と筆談及びジェスチャーは使わず,筆談使用者は,ジェスチャーを使いやすいという関係があった。発声する事は,自分の感情をよりダイレクトに伝えられ,意志疎通しやすい感覚をもたらすと同時に,社会的存在も確保できると考えられる。喉頭摘出者にとって,発声を獲得することが重要であることが示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本看護研究学会
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