日本看護研究学会雑誌
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身体的変化のある骨粗鬆症患者の QOL
-身長短縮や円背の主観的程度と心理的側面との関連-
吉村 弥須子白田 久美子前田 勇子安森 由美東 ますみ
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2002 年 25 巻 5 号 p. 5_59-5_69

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抄録

  本研究の目的は,骨粗鬆症患者の身長短縮や円背の主観的程度が,抑うつ状態・人生満足度・自尊感情などの心理的側面にどのような影響をおよぼしているかを明らかにすることである。 対象は,3つの医療機関の骨粗鬆症専門外来に通院中の骨粗鬆症患者376名で,方法は,Zung の自己評価式抑うつ性尺度 (SDS),古谷野らの人生満足度尺度 K (LSIK),大和らの自尊感情尺度 (SES) の3尺度を用いた自記式質問紙による調査であった。 今回の分析対象は,身長短縮の程度および円背の程度について回答していた234名 (62.2%) であった。 結論は以下のとおりである。
1. 身長短縮しだしたときおよび6cm以上身長短縮を自覚したときに,抑うつ状態となり人生満足度が低下する傾向がある。
2. 身長短縮が進行すると自尊感情が低下する傾向がある。
3. 円背が進行すると抑うつ状態となり,人生満足度や自尊感情が低下する。

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© 2002 一般社団法人 日本看護研究学会
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