日本看護研究学会雑誌
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三交替制勤務をする看護婦の食生活について
阪口 禎男吉川 千鶴子
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1989 年 12 巻 4 号 p. 4_15-4_21

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抄録

 三交替制勤務の看護婦59名を対象に,連続3日間の食物摂取状況調査と食生活に対する意識調査を行い,看護婦の食生活の実態を示した。即ち,交替制勤務の特性を考え,生活背景や勤務形態,及び食生活に対する意識と栄養摂取状況との関連性を検討した。
1. 看護婦の栄養摂取上の問題点として,エネルギー,タンパク質,カルシウム,鉄などの摂取不足の著しいことが挙げられる。
2. 食生活を支配する要因として,生活背景や食習慣よりも,勤務形態による影響が大きいことが示された。
3. 看護婦の6割が朝食欠食を常習化しており,その欠食理由として不規則な生活リズムが要因として挙げられる。
4. 勤務形態別での欠食率は,朝食欠食が準夜勤で最も高く,昼食欠食は深夜勤で最も高い。これは,交替制勤務による食生活への影響と思われる。
5. 欠食により栄養摂取量は約20%減少しているが,それは,朝食欠食よりも昼食欠食によるものが大きい。従って,看護婦の栄養摂取上の不均衡は,欠食即ち,勤務形態によって大きく反映されているといえよう。

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© 1989 一般社団法人 日本看護研究学会
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