心身症の治療で, 身体面からの患者治療者関係を中心に治療した場合の「気づき」の必要性ついて, 食行動異常症25人で検討した.心理的な話題は出さず, 身体診療を丁寧に行い体力面と身体感覚面を中心に話し合い, 身体の変化に患児が気づくのをサポートした.家族は, 食事に問題はあっても安定した家庭になることを目標にした.身体的洞察がよいほど治療関係や最近の状況も良好なものが多く、心理的洞察がなくても治療関係, 最近の状況は良好なものが認められた.ダイエットが先行した場合と誘因が学校や勉強の場合に経過が良好であった.家族の病理が深くなくダイエット先行で始まった食行動異常の場合は, 一般の小児科医でもこの方法で初期対応は十分に可能と考えられた.