心身医学
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コンサルテーション・リエゾン活動 : 臨床と研究の乖離と結合(心身医学からみたコンサルテーション・リエゾン活動の現状と問題点)(第38回日本心身医学会総会)
狩野 力八郎
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1998 年 38 巻 2 号 p. 135-141

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抄録

心身医学理念の今日的意義について述べ, 過去20年間の東海大学精神科におけるコンサルテーション・リエゾン(CL)活動について, 概念・構造化された活動, 構造化されていない活動という側面から再検討した.そのうえで, CL活動に関する現在の問題点として, 危機管理への対応, 入院の短期化・効率化に伴う諸問題, 地域医療におけるCL活動の3点を指摘し, それらへのアプローチの方法として, (1)教育啓蒙活動とinformed consent の徹底, (2)危機介入技法の習得の必要性, (3)入院早期における退院後計画作成とその地域医療への継続の必要性, を提案した.基本的には, 「患者がinformed consumerであり, 医療スタッフとの積極的なパートナーである」という認識を医療スタッフがもつことを強調した.

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© 1998 一般社団法人 日本心身医学会
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