心身医学
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関係中心的観点からみたコンサルテーション・リエゾン活動の現状と課題(心身医学からみたコンサルテーション・リエゾン活動の現状と問題点)(第38回日本心身医学会総会)
菊地 孝則高野 晶
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1998 年 38 巻 2 号 p. 127-134

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抄録

コンサルテーション・リエゾン活動の中核ともいえる関係中心的観点の現状と課題を, 総合病院における実態調査に基づいて論じた.調査では, 関係性の問題がコンサルテーション症例中約4割に存在すること, それが自損を伴わない症例, 内科系病棟からの依頼症例に多く存在すること, さらに心身医学的評価別では, 罹患や入院への適応障害例, 身体症状が心理社会的要因に由来する症例, 器質性精神障害の中でも言動の偏りが患者の性格によると誤認されやすい症例, そして人格障害を有する症例に多く存在するなどの結果が得られた.最後に, 関係性の問題に適切に対応するための診療形態の工夫と, 精神力動的な観点に立ったコンサルタントの教育研修の重要性を指摘した.

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© 1998 一般社団法人 日本心身医学会
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