1991 年 18 巻 1 号 p. 45-47
12匹のウイスタ一系ラットの膝関節に屈曲拘縮を作成し,皮膚と筋がどの程度関節可動域(ROM)を制限しているかを検討した。その結果,30日間の固定により膝関節の伸展ROMは,-82.9 ± 16.0度と大きく制限された。皮膚を切除することによって9.6 ± 7.5度伸展可動域は拡大した。これは,全ROM制限中16.6%の拡大であった。次にハムストリングスを切除することによって18.8 ± 7.1度伸展可動域は拡大した。これは,全ROM制限中32.5%の拡大であった。さらに,腓腹筋を切除することによって5.5 ± 3.7度(9.5%)の拡大をみた。しかし,皮膚と筋を切除した後もROMは,伸展-49.1 ± 13.4度であり,41.4%のROM制限が残っていた。