2015 年 42 巻 6 号 p. 465-473
【目的】The grocery shelving task(以下,GST)の呼吸循環反応と上肢機能との関連を検討する。【方法】COPD 患者10 名(平均年齢75 歳),健常高齢者10 名(69 歳)を対象にGST と非支持かつ動的な漸増運動負荷試験(以下,UIULXT)を実施し,呼吸代謝,心拍数,血圧,修正ボルグスケール(以下,BS)を測定した。次に両試験と呼吸機能,握力,PFSDQM,修正MRC,上肢・全身活動量との関係を検討した。【結果】GST は2.3 ± 0.2 METs であり,UIULXT よりV˙CO2/kg,SBP,SpO2,上肢・全身BS で有意に低値を示した。GST time はCOPD 群44.1 ± 10.7 秒,対照群38.9 ± 3.7 秒であり,握力,上肢活動量と負の相関,PFSDQM,修正MRCと正の相関を認めた。【結論】GSTは負荷が比較的小さい試験であり,日常生活の呼吸困難,上肢疲労および上肢活動量を評価できる可能性が示唆された。