アレルギー
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多発する限局したスリガラス影を呈した特発性肺胞蛋白症の1例
谷口 浩和阿保 斉峠 正義新納 英樹宮澤 秀樹能登 啓文内山 明夫三輪 敦夫市村 昇悦泉 三郎
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2008 年 57 巻 8 号 p. 1061-1066

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抄録

症例は,58歳,女性で,胸部CTにて多発するスリガラス状の濃度上昇が認められたため,当院に紹介された.そのうち1つの結節に対し胸腔鏡下切除術を施行した結果,細気管支肺胞上皮癌であった.その6ヵ月後,残り全ての結節の切除を行ったが,それらすべての結節部の病理組織像は肺胞蛋白症の所見であった.また,血清抗GM-CSF抗体は高値を示し,特発性肺胞蛋白症と診断した.特発性肺胞蛋白症がスリガラス影を呈するのは稀であるが,呈した場合には細気管支肺胞上皮癌との鑑別が困難であり,注意が必要である.

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© 2008 日本アレルギー学会
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