アレルギー
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β_2刺激薬(Procaterol)ネブライザー吸入後の肺機能と血中濃度の推移についての検討
岸田 勝中園 宏紀黒岩 玲道海 秀則中里 純子中村 浩章鈴木 五男四宮 範明
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2007 年 56 巻 11 号 p. 1372-1377

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抄録

【背景・目的】吸入によるβ_2刺激薬の血中濃度の推移や気管支拡張作用の発現との関係については不明である.そこで,塩酸プロカテロールをネブライザー吸入した際の血中濃度の推移と肺機能の改善との関係について検討した.【方法・対象】気管支喘息児(平均年齢9.8歳)6例に対し,0.01%プロカテロール吸入液0.3mlをネブライザー吸入した.吸入前および吸入後に肺機能,酸素飽和度および血漿中プロカテロール濃度を測定した.【結果】吸入後血中濃度は,個体差が大きいものの速やかに上昇し,2〜15分でピークを形成した.その後30分までプラトーとなり,徐々に低下した.測定最大血中濃度は2分値で87.8±45.1pg/mlであった.FEV_<1.0>は,吸入後2分で明らかに上昇し,60分まで持続した.60分後には血中濃度は低下を始めるもFEV_<1.0>の改善は持続した.その他の肺機能パラメータに関しても同様に改善を認めた.心拍数には有意な変動はなかったが,血清カリウム値は,吸入後60分に全例で低下を認めた.【結語】プロカテロールの血中濃度は,速やかに上昇し,2分後にピークを形成し,30分後には低下した.肺機能も速やかに改善しはじめ,60分後にピークとなった.

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© 2007 日本アレルギー学会
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