アレルギー
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小児気管支喘息のアレルゲン診断と特異療法に関する研究 : 第6報 ケンタッキー31フェスク花粉を主要抗原とする気管支喘息
舘野 幸司中嶋 茂樹松村 龍雄Tomoko Endo
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1975 年 24 巻 11 号 p. 744-752,780

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抄録

最近, 荒廃地や道路工事の改修後に緑化工事が行われている.そして, 緑化工事の目的で, 全国的に, ケンタッキー31フェスクが広範に播種されている.この植物は, 多量の花粉を産生するため, 花粉症の原因となる可能性の強い植物である.ケンタッキー31フェスク花粉によるものと思われる気管支喘息患者を認めたので報告する.ケンタッキー31フェスク花粉抽出液による気管支喘息患者に対する皮内反応では, 161例中42例26%の陽性率をえた.被動性移入試験では8例中6例が陽性であつた.他のイネ科花粉による皮内反応では, 14例中6例43%においてケンタッキー31フェスク花粉にのみ陽性反応を示し, 他の8例は種々の割合で他のイネ科花粉と反応していた.吸入誘発試験では, 15%以上のPEFRの変化率の低下, もしくは喘鳴などの臨床症状をもつて陽性とした.ケンタッキー31フェスク花粉抽出液による吸入誘発試験を3例について行い, 3例ともに陽性の結果をえた.これらの結果から, ケンタッキー31フェスク花粉は, 他のイネ科花粉に対し

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© 1975 日本アレルギー学会
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