2000 年 9 巻 3 号 p. 403-405
呼吸器疾患,とくに慢性呼吸器疾患患者におけるQOL(quality of life)は,多くの因子physical(身体的),functional(機能的),social(社会的),psychological(心理的)などから成り立っている.本稿では,QOLの歴史的背景を述べた後,慢性呼吸器疾患に対して行われる諸種の治療が,そのQOLにどのように影響するか,またその評価法のいくつかを紹介した.代表的なものでは,CRDQやSF36(SGRQ)がしばしば用いられるが,わが国独自で開発されたものは少なく,その評価法の問題点や今後のこの研究の動向についても言及した.