日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウム
COPD患者の高齢化の現状
井上 純人
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2022 年 31 巻 1 号 p. 46-49

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抄録

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は主症状である咳嗽や喀痰,息切れといった症状が非特異的であり,かつ緩徐な進行を示すことから,症状が加齢や疲労,感冒症状の遷延と誤認されやすい.さらに一般社会における認知度が低いため,鑑別診断として想起されにくいことから早期に診断されていない患者が多いことが推定されている.しかしCOPDが適切な管理をされずにいると,呼吸機能の低下,身体活動性の低下,さらには増悪による呼吸不全や全身性の合併症の併発といった様々な問題を生じることとなる.急速な高齢化が進む我が国において,COPDを早期に発見し,適切な治療につなげていくかは重要であり,更には呼吸機能だけではなく全身性の併存症にも着目して治療を検討していくことが求められる.COPD診断と治療のためのガイドラインの管理目標にある,運動耐容能と身体活動性の向上および維持を達成することは,高齢者が元気で長生きしていくために重要な要素である.

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© 2022 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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