日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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研究報告
当院における全肺洗浄施行自己免疫性肺胞蛋白症患者に対するリハビリテーション介入の現状
牛村 美穂子佐々木 由美子光國 若也久保 規彦杉本 親寿新井 徹井上 義一
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2015 年 25 巻 2 号 p. 295-298

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抄録

自己免疫性肺胞蛋白症(APAP)は,抗GM-CSF抗体による肺胞マクロファージ機能低下のため,肺胞腔末梢気腔内にサーファクタント由来物質の異常貯留を来す稀少疾患であるが,呼吸リハビリテーション(以下リハ)の報告は少ない.今回,当院で全肺洗浄(WLL)を施行したAPAP症例のリハ実施状況を報告する.対象は2007年6月から2014年3月にWLLを施行したAPAP患者17例(年齢中央値51.7歳,男性12例),のべ25回の入院で39回のWLLが実施され,リハは21回依頼された.WLL前のリハ介入は13回で,リハ実施期間の中央値は23日であった.患者のPAP重症度と症状(修正MRC)に有意な相関は認めなかった.WLL前後では呼吸状態はダイナミックに変動するため,リハ中は自覚症状による評価だけに頼らずきめ細かい患者への対応が必要である.リハの介入の役割は重要と考える.

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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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