日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
睡眠時無呼吸症候群の胃食道逆流症合併とCPAPによる治療効果の検討
佐藤 英夫岩島 明河辺 昌哲中山 秀章吉澤 弘久下条 文武鈴木 榮一
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2005 年 14 巻 3 号 p. 491-495

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抄録

睡眠時無呼吸症候群(以下SAS)の胃食道逆流症(以下GERD)合併頻度を,QUEST問診票を用いて検討した.QUESTは4点以上をGERD合併ありと判断した.PSG(Polysomnography)検査を実施した84例中の73例にAHI(Apnea Hypopnea Index)≧5 (/hr) のSASを認めた.QUEST 4点以上が25例(34.2%)あり,GERD合併の有無で2群に分けたときAHI,脳波上の短時間覚醒指数(以下Arousal Index),BMIなどに有意差はなかった.AHI≧20かつQUEST≧4点の17例中,11例がCPAP治療を開始した.CPAP治療を開始した4週間後のQUEST得点は7例で無症状(0点)となった.残る4例はプロトンポンプ阻害薬(PPI)の内服を追加して,症状の消失が得られた.SASによる胸腔腹腔内圧較差開大をCPAP治療が改善して,胃酸逆流を抑制する機序が関与すると考える.SASには高頻度にGERDが合併することから積極的な問診と治療追加が望まれる.

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© 2005 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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