1997 年 2 巻 p. 58-63
今後の情報化社会では、正しく事実や状況を伝える能力、明確に自分の意見や疑問を述べる能力、筋の通った議論によって他者を説得する能力など、言葉を仲立ちとした他者とのコミュニケーションの能力が重要となってこよう。本論文ではそのようなコミュニケーション能力を訓練する目的で行ったコンピュータリテラシ教育の実践例を報告する。この科目では、ネットワーク環境のもとでのコンピュータの操作法や電子文房具としての使い方を習得させるとともに、コミュニケーション能力を身に付けさせることを目標にしている。学生にはレポートの書き方、他者とのコミュニケーション技法や討論技法を身に付けさせるための課題を与えている。本論文ではコンピュータリテラシ教育に対する基本的な考え方とその具体的な実施内容について述べる。