医療情報学
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特集 厚生労働科学研究成果報告書 第3回
カルテ情報の自動構造化システムと疾患数理モデルの逐次的構築,及び,自動構造化機能を有した入力機構の開発
荒牧 英治若宮 翔子河添 悦昌
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2020 年 40 巻 1 号 p. 12-13

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抄録

1. 研究目的

 これまで,医療医学用語をまとめる試みは多く,多くの医学大辞典が出版されてきた.しかし,これまでの多くの用語リソースは,トップダウン的なアプローチで専門家が定義したものであり,医療の臨床現場で実際に使用されている用語と乖離している場合もある.このため,カルテ入力をサポートするシステムを作る際に,実際に入力したい用語が収載されていないことも起こりえた.

 そこで本研究では,自然言語処理により用語を抽出する機構を開発する.その結果得られた用語を精査して辞書にし,これをベースに入力支援アプリケーションを開発する.具体的には,医療従事者が電子カルテに記録した診療記録(経過記録と退院サマリ)から症状や病名(以降,これらを合わせて「病名」と呼ぶ)に関連する用語を辞書を用いない自然言語処理手法を用いて抽出し,そのデータを精査して「万病辞書」として辞書化し公開する.本稿では,「万病辞書」のファイル構成や統計について報告する.

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© 2020 一般社団法人 日本医療情報学会
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