日本草地学会誌
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乳酸菌製剤および乳酸菌と酵素の混合剤の添加がトウモロコシサイレージの発酵品質およびヒツジにおける栄養価ならびに養分摂取量に及ぼす影響
王 鵬相馬 幸作齋藤 敏郎岩田 智田中 智子花田 正明増子 孝義
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2009 年 54 巻 4 号 p. 311-316

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抄録

乳酸菌製剤および乳酸菌と酵素の混合剤を添加して調製した黄熟期トウモロコシサイレージの発酵品質およびヒツジにおける栄養価ならびに養分摂取量に及ぼす影響について調べた。試験は異なる年度に2回実施した。サイレージの発酵品質は,試験1と2ともにいずれの処理区もすべて良好であった。試験1の乳酸菌製剤1132(Lactobacillus plantarum,Enterococcus faecium)および乳酸菌(Lactobacillus rhamnosus)と酵素の混合剤添加区はNFEとエネルギー含量,試験2の乳酸菌製剤11C33(L. plantarum,Lactobacillus buchneri,E. faecium)と11C38(Lactobacillus casei,L. buchneri)添加区は粗蛋白質含量が無添加区よりも有意(P<0.05)に高かった。1132および混合剤添加区の粗蛋白質,粗脂肪およびNFE消化率は無添加区より有意(P<0.05)に高かった。TDNとDE含量,TDNとDE摂取量は1132添加区が無添加区より有意(P<0.05)に高かった。TDNとDE摂取量の増加割合はそれぞれ31.3%,30.0%であった。11C33と11C38添加区のTDNとDE摂取量には,無添加区との間に有意差が見られなかった。1132添加区のTDNとDE摂取量の増加は,TDNとDE含量の増加によってもたらされたものと考えられた。

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© 2009 著者
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