メドウフェスクの早生品種「トモサカエ」と極晩生系統「北海9号」を日本の各地で栽培したところ,「トモサカエ」は浜頓別,西合志を除く地点でほぼ100%の出穂個体率であったが,「北海9号」は浜頓別,訓子府,那須塩原,西合志で出穂しない個体がみられた。各地の気象情報と人工環境下で得られた出穂に関する知見と照らしたところ,那須塩原と西合志では春化感応期間の不足が制限要因と示唆された。また,春化と光周誘導で気象条件を満たしている浜頓別と訓子府は,札幌に比べて秋から冬の気温が低いことから播種時期が遅かったために幼若期を経過できなかったためと考えられた。