日本草地学会誌
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付着乳酸菌事前培養液の添加がイネ(Oryza sativa L.)ホールクロップサイレージの発酵品質と飼料特性に及ぼす影響
平岡 啓司山本 泰也浦川 修司水谷 将也山田 陽稔乾 清人苅田 修一後藤 正和
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2003 年 49 巻 5 号 p. 460-464

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抄録

培養日数を1, 2, 3, 5, 7日間に違えて調製した付着乳酸菌事前培養液(FJLB)を添加したイネホールクロップサイレージの発酵品質, βーカロチン含量, イネ穀実中のフィチン態リン含量を比較検討した。 FJLB添加区のサイレージ発酵品質は,無添加区よりも顕著に優れ, 乳酸発酵が促進され酪酸発酵は抑制された。VBN/T-Nと乾物損失率はFJLBの添加によって低下し, V-スコアの高得点に反映された。サイレージのβ-カロチン含量は. FJLB添加区で減少し, 特に2日間培養したFJLB添加区で有意に(P<0.05)低下した。一方,フィチン態リンは,有意差は認められないものの, 無添加区に比べて全てのFJLB添加区で減少する傾向が認められた。 FJLBのpH値は, 培養前の6.14から培養7日目の3.14まで低下し, 乳酸,酢酸,エタノール生成量も培養日数が進むにつれて増加した。 FJLB中の酪酸生成, VBN/TNはいずれの培養日数でも低かった。

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© 2003 著者
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