日本草地学会誌
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フオッサマグナおよびその周辺の草原草地の立地 : 3. フオッサマグナ西縁線と中央構造線沿い
早川 康夫
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1996 年 42 巻 1 号 p. 36-41

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抄録

日本は雨量が多く大気候帯区分では極相森林域になる。しかし雨水が浸透流亡し有効水量が減ずる地質地形箇所には,局所的に草原を成立させやすい。こうした事例は阿蘇草原のように地殻変動線上に多い。フオッサマグナと中央構造線は日本列島を東西と内外に分かつ我が国最大規模の変動帯である。前者の西緑を限る北アルプスは変動に伴い隆起した山脈で,乗鞍火山脈が絡み,その溶岩台上にアルプス高山の草原が成立している。中央構造線の草地は外帯を形成する御荷鉾帯の緑色岩上に成立し,西の延長上には四国の草地,東側は狭山丘陵まで延びゴルフ場を蝟集させる。

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© 1996 著者
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