日本科学教育学会研究会研究報告
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〔午前の部〕〔研究発表〕
高校化学におけるデータのコンピューター処理とその利用 : 周期表とデータ処理技法の育成
中村 好伸
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1991 年 5 巻 5 号 p. 25-28

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抄録

膨大なデータにどのように取り組むか、データをどう処理して意味のある結論を導くか、を学ばせることが情報処理教育において最も重要な指導であると考える。そこで、高校化学の「元素の性質と周期表」を題材にデータ処理技法の育成を試みた。元素の性質についてこれまでたくさんのデータが蓄積されており、そのデータを様々な視点から整理し見つめることで多くの発見がある。元素の諸性質を周期表から眺め、傾向をとらえることを通して、膨大なデータの中から意味のある関連を発見する実習をすることで、データ処理技法を生徒に身につけさせる試みを行なった。生徒は自ら様々な関連を発見することにより、次の効果を期待している。①たくさんのデータを選択・整理しグラフ化することによって傾向をとらえられる。② コンピューターを使ってデータ処理することの意味と便利さがわかる。③ 元素の性質の周期性を理解する。また、教育用ソフトとしての表計算ソフト (LOTUS1-2-3) の可能性も探ってみた。

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© 1991 一般社団法人 日本科学教育学会
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