社会の複雑化に伴い,日常生活やビジネスなどのあらゆる場面において,不確実性を定量化し意思決定することが全ての市民に求められている今日,初等中等教育では,問題を確率を活用して考察する確率的モデル化が注目され始めている.しかしながら,それを志向した授業開発は管見の限り行われていない.そこで本研究は,確率的モデル化を志向した初等中等教育における確率授業の開発を目的とし,そのうち本稿では,中学校数学科に焦点を当てた授業開発を目的とした.教材は足し算ビンゴゲームとし,モデルの検証にはシミュレーションソフトウェアのTinkerPlotsを用いた.結果として,先行研究に基づいて生徒の反応を予想しながら,教師と生徒の予想される活動を示すことで授業を開発した.さらに,先行研究では想定されていない,モデルの適用の段階を対象とした仮定の再検討という活動が予想された.