2019 年 33 巻 7 号 p. 1-4
ドイツ博物館協会ではMUSEUMの使命として、インクルーシブデザインやダイバーシティを掲げている。具体的な内容を知るために、2019年2月10日から12日の期間、ドイツベルリンの博物館島を中心に、取組状況を調査した。子供からお年寄りまで、できる限り多くの来館者が楽しめるような配慮と工夫は、各館ごとに所蔵品を活かしながら取り組んでいることがわかった。現地でのハンズオン音声ガイドは基本的にどの館も多言語対応であるが、対応可能な言語の数は館によりまちまちであった。子供用音声ガイドを設置している館もあった。その他、聴覚や視覚に障害のある来館者のためのガイドツアーを用意している館もある。視覚障害のある来館者に向けた専用の常設展示「ネフェルティティの胸像」は、ユニバーサルデザインの7原則に従い、触れる胸像の高さや点字プレートの位置などを改善することにより、より良い展示になると考える。