2017 年 32 巻 5 号 p. 31-36
本研究の目的は,先報(木村,印刷中)で報告した,アマチュア科学者の科学実践 の継続を可能にしている要素やそれらの相互関連性に関する仮説モデルのうち,「好奇心の醸成」の構造について,各要素やその関連性の程度を量的に分析し,特に影響の大きい要因を明らかにすることである.そこで,質問紙調査を行い,各要素やそれらの間の関連の程度を,フィッシャーの正確確率検定とφ係数とを用いて分析した.分析結果より,9つの要素間において有意な相関または有意傾向が認められ,「好奇心の醸成」の構造において,4つの主要プロセスが影響の大きな要因であることが示された."