初等中等教育の学習場面においては,「判断の根拠や理由を示しながら子どもが自分の考えを述べること」についての課題を克服することが求められつつある。本研究では,このような課題を克服するための理科の教授方略として,「体感的な経験や数値データ」「話し合い活動」「モデル(イメージ図)の作成と更新」等の活動を取り入れた授業計画を立案し,小学校第3 学年理科「物と重さ」の授業実践を通して,その有効性を検証した。その結果,子どもが作成と更新を繰り返したモデルでの表現からは,物質の性質の1つである密度を理解する際のベースとなりうる考えが表出した。