2015 年 30 巻 3 号 p. 127-132
日本の数学の授業で扱う問題解決学習は,well-structured な問題解決であることが多かった。本研究では,より ill-structured な問題の解決を目指して,数学Ⅰの内容でトラブルシューティング問題を作成した。その後,作成した問題を,3 名の数学専攻の大学生が解き,どのように解いたかについてインタビュー調査を行い,調査協力者が遷移した問題空間を可視化した。調査協力者は,誤りを指摘できたものの,問題の本質を理解するまでには至らなかった。