日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
児童による問題場面の解釈に関する一考察
「混み具合の問題」を例として
平林 真伊
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2018 年 28 巻 5 号 p. 90-95

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抄録

本稿の目的は,児童による問題場面の解釈を実証的に示すことである。この目的を達成するために,Models-and-Modeling Perspective からみる問題解決に依拠し,数学的モデル化を,数学的に問題場面を解釈することであると規定した。そして,児童による問題場面の解釈を捉えるために実施した「混み具合の問題」を用いた調査の結果を分析,考察した。その結果,以下のような様々に異なる方法による問題場面の解釈がみられた。ⅰ)「数学化」に関わる解答では,新たな条件を設定することで「混み具合」を説明しており,その解釈には4 段階の質的に異なるものが見られる。ⅱ)「解釈・評価」に関わる解答では,もとの問題場面と類似する経験を想起することで「混み具合」を説明している。ⅲ)「現実場面の生成」に関わる解答では,現実的な条件を設定することで「現実場面」を生成している。

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© 2018 一般社団法人 日本科学教育学会
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