2012 年 27 巻 3 号 p. 69-72
現行の学習指導要領では、「エネルギー」、「粒子」、「生命」、「地球」などの科学の基本的な見方や概念を柱として、理科の内容の構造化が図られた。しかし、小・中・高等学校の円滑な接続を志向したカリキュラムを作成するためには、依然として多くの課題が残されている。本研究では、近年海外において盛んに研究されているラーニング・プログレッションズの研究動向に注目し、これらの課題を解決するための知見を得ようと考えた。その結果、ラーニング・プログレッションズとInquiry Project が提案した「核概念」「てこ概念」「鍵となる描写」「足がかり」という 4 つの理論的構成要素を用いることで、小・中・高等学校の円滑な接続を可能にするカリキュラムを作成することができる可能性があることがわかった。