本研究の目的は,中学校理科における「科学的探究」能力の育成を主眼においた学習活動を展開するための新たな教材開発を行い,その意義を検討することである。特に中学校第1 学年の単元「生物の観察」での「ザリガニ」の観察を通じて,餌による体色変化から「生物濃縮」を理解することのできる教材開発を試みた。また,授業実践の結果から,本教材は生物への興味関心を引き起こすだけではなく,生物濃縮というメカニズムを理解するうえで効果的な教材であることが明らかとなった。尚,本研究は中等教育「生物」の領域におけるカリキュラムの系統性を確保することを意図している。