本研究の目的は,第3回国際数学・理科教育調査(以下TIMSSと記す)の理科論述形式課題の回答データをもとに,児童・生徒が回答中で使用した言葉から日本の児童・生徒の科学的論述力の特徴を探ることである。今回は, TIMSS論述形式課題の中から,実験計画と結論導出に関する課題である「I18 発芽条件の実験」課題,「J9 木の年齢」課題,「K10 空気存在の確認法」課題の3つの課題を分析対象とした。分析結果から,課題に提示された事実をもとに考えるというよりも,履修した内容の記憶を手がかりに回答する傾向が示唆された。