p. 147-148
第15期中央教育審議会の答申の「生きる力」の根底は、教え込み教育から、子供がつくる教育への転換であると言える。単に過去の知識を記憶しているということではなく、自ら考え自ら問題を解決していく資質や能力であり、また、あふれる情報の中から自分が本当に必要とする情報を選択し、主体的に自分の考えを築き上げていく力である。このことを理科教育にあてはめて考えれば、自然を教え込むのではなく、子供自身が自然をどのように解釈していくかということの学習にある。教育の役割の一つである文化の伝承は、単に、文化としての知識を伝達するのではなく文化を創っていくという能力の伝承を必要としている。新しいものを生み出す創造性のある学習過程の試みとして、問題解決の過程に「仮説-確証・反証」を取り入れ、子供が創る科学を目指した指導法への提案である。