日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
Lichen Planus Pemphigoides―症例報告および抗基底膜部抗体の結合部位の検討―
宋 玉如内藤 勝一矢口 均山本 律子池田 志斈森岡 眞治小川 秀興
著者情報
ジャーナル 認証あり

1989 年 99 巻 10 号 p. 1111-

詳細
抄録

いわゆるLichen planus pemphigoidesの一典型例を報告するとともに,本症患者血清中に検出された抗基底膜部抗体の結合部位について,特に類天疱瘡,後天性表皮水疱症(EBA)におけるそれらとの異同について検討を加えた.その結果,1M NaCl処理にて表皮と真皮を分離した皮膚を基質とした蛍光抗体間接法にて表皮側に陽性蛍光が見られ,また免疫電顕間接法にて基底細胞のhemidesmosomes部にIgGの結合が観察された.これらの所見は,本症患者血清中の抗基底膜部抗体が抗体結合部位の点でEBA抗体とは明らかに異なり,むしろ類天疱瘡抗体に類似していることを示唆している.

著者関連情報
© 1989 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top