日本皮膚科学会雑誌
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原著
BCG接種後副反応の9例―53年間の本邦報告例の検討を含めて―
又吉 武光青木 見佳子池田 麻純片山 美玲川名 誠司
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2011 年 121 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

過去5年の間に,9例のBCG副反応を経験した.受診時年齢は4カ月~1歳4カ月,男児8例,女児1例であった.BCG接種は,生後3~4カ月に行われ,2005年4月の法律改定前後で接種年齢が変化していなかった.9例のうち7例は皮下組織結核性肉芽腫およびその疑い,1例は非環状型汎発性環状肉芽腫1),1例は丘疹状結核疹であった.BCGの副反応の対処法については,以下のように考える.①全身散布性の壊疽性丘疹状結核疹,腺病性苔癬,丘疹状結核疹は数カ月で自然軽快するため,経過観察のみとする.②尋常性狼瘡,皮膚腺病,皮下組織結核性肉芽腫については,2~3カ月間の経過観察を基本とする.経過中,増大,自壊する症例,あるいは閉鎖する傾向がない症例には,生検,菌検索を行い,結核菌が検出された場合には抗結核薬投与を考慮する.抗結核薬の投与期間は,3カ月間~6カ月間が適当である.

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