2006 年 116 巻 12 号 p. 1771-1775
日本紅斑熱の患者10例(1症例につき5~30の個疹)を対象とし,皮疹をダーモスコピーにて観察した.本疾患の紅斑からは,樹枝状の血管拡張(arborizing vessels),瀰漫性に広がる紅斑(erythema),出血点(purpura),ピンク色の小球(milky-red globules),白色ベール(whitish-veil)を確認した.Erythemaは全例,arborizing vesselsとmilky-red globulesは9例,purpuraは7例,whitish-veilは2例で観察できた.本疾患はミノサイクリンが有効である一方,ペニシリン系やβラクタム系が全く無効であり,日を追うごとに重症化する.そのため,早期診断,早期治療が重要である.ダーモスコピー所見を活用することは,本疾患の早期診断をより可能にするものと考える.