廃プラスチックのリサイクル過程における揮発性有機化合物や悪臭物質、作業環境評価物質、アルデヒド類、紫外線吸収剤など添加剤の揮発挙動を把握するため、圧縮梱包施設、造粒施設、再生品製造施設で作業環境や排ガス等の調査をした。検出された頻度の高かったのはトルエンや低分子のアルデヒド類で、次いでスチレンやエチルベンゼンなどの樹脂由来物質であった。付着腐敗物由来と考えられる悪臭物質は頻度が低いものの、検出された場合、濃度が高かった。各媒体から検出された化学物質濃度は関連する基準値等を下回っており、ほとんどの化学物質で一般大気レベルであったが、樹脂由来物質や悪臭物質で一般大気中濃度より高くなる場合がみられた。圧縮梱包時に揮発する化学物質量は少なく、作業環境中の濃度に影響するレベルでないことが示唆された。樹脂の原材料或いは分解物として生成する化学物質の一部は、処理する樹脂種に依存していた。