近年、ダイオキシンをはじめとする難分解性有機物による環境汚染が問題となっている。その中でもバイオレメディエーション技術が注目されているが、現時点では浄化技術が先行し、浄化メカニズムが不明瞭な為、大きな発展には至っていない。そこで本研究では白色腐朽菌を用い、白色腐朽菌が産生する酵素による難分解性有機物の分解を目的にアゾ染料とアントラセンの分解について実験的検討を行った。PCとカワラタケ用いた今回の実験ではPCと比べカワラタケが短時間で効率的にアゾ染料およびアントラセンを分解した。これはそれぞれが産生する酵素の特性によるものであり、カワラタケが産生するMnPによって分解が迅速に行われることがわかった。MnPを多く分泌する条件であると考えられるグルコース濃度を変化させた実験ではグルコース濃度とアゾ染料の分解量とが比例関係ではなかったものの分解するための必要条件であることはわかった。