主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第34回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 34
開催地: 大阪工業大学
開催日: 2023/09/11 - 2023/09/13
本研究では乾燥促進剤の添加が有機汚泥の乾燥速度を向上させるメカニズムを明らかにするため、乾燥促進剤添加汚泥の乾燥中の物性変化を調査した。物性変化の調査については、減率乾燥期間内で汚泥の乾燥速度向上が最も大きくみられたことから、減率乾燥期間内に最も乾燥の影響力がある毛管吸引力の変化に着目し、その因子である接触角を評価した。実験では乾燥促進剤を有機汚泥に 0.8 wt% 添加し、乾燥途中から完全乾燥までの汚泥乾燥試料の接触角を測定した。乾燥促進剤の種類によって汚泥の接触角は大きく異なり、乾燥促進効果がみられた乾燥促進剤の汚泥乾燥試料は接触角が大きくなり、乾燥抑制効果がみられた汚泥乾燥試料は接触角が小さくなった。そのため、乾燥促進メカニズムは、接触角が大きくなることで毛管吸引力が低下し、汚泥内部の水を保持する能力が弱くなることで、汚泥内部の水分移動速度の大幅な低下を防いでいる可能性が高いとわかった。