日本惑星科学会誌遊星人
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みんなでふたたび木星へ,そして氷衛星へ その8 ~JUICE搭載ガニメデレーザ高度計GALA: 打ち上げ・軌道上初期チェックの報告~
塩谷 圭吾 小林 正規荒木 博志木村 淳野田 寛大竝木 則行押上 祥子東原 和行齋藤 義文リンゲナウバー カイアレクサンダー スタークフスマン ハウケGALAチーム
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2023 年 32 巻 4 号 p. 302-312

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抄録

ガニメデレーザ高度計GALAを搭載したJUICEの打ち上げが成功しました.南米仏領のギアナ宇宙センターより,アリアン5ロケットにて,2023年4月14日のことでした.

 GALAは軌道上から氷天体表面を測距する科学観測機器です.GALAはその機能によって,氷衛星の鉛直方向の地形情報を取得し,また特にガニメデに対しては潮汐応答を測定することで,地下海等の内部構造の調査に臨みます.GALAは氷天体に適用される初めてのレーザ高度計です.また,レーザ高度計で潮汐変形等を直接測定して内部海の存否に迫る試みもGALAが世界初です.GALAの開発では,日本チームはGALAの中心部とも言える3つ(も)のハードウエアモジュールを開発しました.待望のGALAの軌道上初期チェックの結果は非常に良好で,安堵しました.本稿では打ち上げとGALAの軌道上初期チェック,および期待される実性能等について簡潔に報告します.

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